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RFIDタグのセレクションガイド!用途に合わせた適切な製品の選び方を解説

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RFIDタグのセレクションガイド!用途に合わせた適切な製品の選び方を解説

RFIDを現場に活用すると在庫管理や工程管理、入出庫の計数など、さまざまな業務を大きく効率化できます。

しかし、用途や環境に合わせて適切な製品を選ばねば、期待した効果が得られないこともあるため注意が必要です。特にRFIDタグをどう選び分けるかは、重要なポイントといえます。

そこで、本記事ではRFIDタグの選び方について詳しく解説しているため、導入を検討される際にぜひご活用ください。

なおこの記事は、RFIDの基礎知識をすでに押さえている方向けの内容です。先に「RFIDとはどのような技術なのか」について知りたい場合には、以下の記事をご覧ください。

こちらをお読みいただきますと、RFIDの基礎知識をしっかり身につけられます。そのうえで本記事をお読みいただきますと、タグ選びに対する理解が一層深まります。

RFIDの特徴を活かしてさまざまな業務を効率化できる

類似する技術であるバーコードやQRコードと比較して、RFIDにはさまざまな強みがあります。具体的には以下の6種類がRFIDの特長です。

  1. 距離が離れていても読み取れる
  2. 物にさえぎられていても読み取れる
  3. 一度に複数のタグを読み取れる
  4. データの書き換えもかんたん
  5. 複製が難しくセキュリティ面に優れている
  6. タグの耐久性に優れており寿命が長い

RFIDを棚卸し計数、工程管理などに活用すると業務効率の向上が見込まれるため、人件費の削減につながるケースがあります。ただし実際にRFIDを導入する場合には、用途や環境に合わせてRFIDタグを選び分けていかなければならないため、次の章で詳しく解説します。

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RFIDタグのセレクションガイド

RFIDタグのセレクションガイド

RFIDタグを選ぶ際には、いくつかの選択肢があります。

  • バッテリー構造
  • 周波数
  • 種類

本章では上記の3つの視点から、RFIDタグの選び方を詳しく紹介します。

1.バッテリー構造

RFIDタグはバッテリー構造の違いによって「パッシブタグ」「セミアクティブタグ」「アクティブタグ」の3種類に区分されます。RFID導入に際しては、これらを用途に合わせて選択することが必須です。

①パッシブタグ

バッテリーを内蔵しておらず、RFIDリーダーからの電波を利用して動作するタグです。他のタイプと比べて一枚当たりのコストが安価なため、倉庫で多量の製品を管理する際に適しています。ただし電波を受信できる距離が短いため、遠くにある対象物を管理したい場合には不向きです。

②アクティブタグ

内蔵されているバッテリーが単独で動作するタイプのタグです。長距離の通信が可能なため、倉庫・工場で、人や物をリアルタイムで管理する際に適しています。ただしタグ一個あたりのコストがやや高めであり、バッテリーの消耗が激しいなど弱点もあります。

③セミアクティブタグ

アクティブタグと同様にバッテリーが内蔵されていますが、RFIDリーダーの電波が届いたときのみに動作するタグです。バッテリーの消耗の速さはアクティブタグより抑えられており、通信距離はパッシブタグより長いといった特徴を持ちます。

レースのタイム計測のように、常時タグを作動させておく必要のないシーンでは、バッテリー寿命とコストのバランスが取れているセミアクティブタグが取り入れられる傾向にあります。

一方で、工場の管理などリアルタイムでタグを作動させておくべき環境では、作動と休止を繰り返すため、かえってバッテリーの消耗が激しくなってしまう可能性があります。

このようにバッテリー構造の違いによって、タグを選び分ける必要があるわけです。以下に、3種類のタグの特長やメリット・デメリットをまとめます。

 

パッシブタグ

アクティブタグ

セミアクティブタグ

特徴

バッテリーが内蔵されていないタグ

内蔵バッテリーが単独で動作するタグ

リーダーからの電波が届くときのみ内蔵バッテリーが作動するタグ

メリット

コストが比較的安い

 

 

通信距離が長い

通信距離が長く、アクティブタグに比べるとバッテリーの寿命が長い

デメリット

通信距離が短い

コストが高めで、バッテリーの消耗が早い

コストが高め

用途

大量の製品・資材の管理

規模の大きな倉庫・工場での、人・物のリアルタイムでの管理

レースのタイム計測や、入退室管理

それぞれのタグの特徴をつかみ、用途に合わせたタグ選びを実施する必要があります。

2.周波数

周波数

RFIDを導入する際には、用途に合わせて最適な周波数帯のタグを選択すべきです。

日本国内で使用されるRFIDの周波数帯には、LF帯(135kHz以下)、HF帯(13.56MHz)、UHF帯(860〜960MHz)、およびマイクロ波帯(2.45GHz)の4種類があります。RFIDは使用する周波数帯によって異なる特性を持ちます。

①LF帯
通信距離が極めて短いものの、水分による影響を受けにくい点が特徴です。車のキーレスエントリーやホテルのルームキーなどに利用されます。

②HF帯
水分による影響を受けにくく、LF帯よりも通信速度が早いため、電子マネーや交通機関のICカードに利用されています。

③UHF帯
最も通信距離が長く、数メートルにわたっての通信が可能です。この特徴を活かし、規模の大きな工場や倉庫での在庫管理に利用しやすいところはあります。しかし、水分や金属に弱い点がネックです。

④マイクロ波帯

アンテナをとりわけ小型化しやすい点が強みです。特定の箇所だけを読み取る必要のある、書類管理や製造ラインの個体識別などに利用できます。しかしUHF帯と同様に、水分や金属の影響を受けやすかったりBluetoothや無線LANと干渉しあってしまったりと弱点もあります。

導入に際しては、用途に適した周波数の選択が肝要です。それぞれの周波数帯の特徴を以下にまとめます。

 

周波数

通信距離

特徴

用途

LF帯

〜135KHz

〜10cm

 

  • 水分の影響を受けにくい
  • 通信速度が遅い
  • 通信距離が短い

キーレスエントリー・ルームキー

HF帯

13.56MHz

 

〜30cm

  • 水分の影響を受けにくい
  • 通信速度がやや早い
  • 通信距離が短い
  • 伝達できる情報が多い

ICカード・電子マネー

UHF帯

860~960MHz

〜10m

  • 通信速度が速い
  • 通信距離が長い
  • 水分や金属に弱い

商品管理・在庫管理

マイクロ波帯

2.45GHz

〜2m

  • 小型化できる
  • 通信速度が速い
  • 水分や金属に弱い
  • Bluetoothや無線LANから干渉を受けやすい

 

書類管理・製造ラインの個体識別

このように選択する周波数帯により特徴は大きく異なります。そのため用途に合わせて、適切な周波数のRFIDタグとリーダーを選ぶ必要があるわけです。

 

3.種類

RFIDタグを選ぶ際には、ラベルタグとハードタグのうち、使用環境に合わせたタグの種類を選ぶ必要もあります。

ラベルタグはシール状のタグです。RFIDプリンターを利用して低コストで発行できるため、大量の製品や資材を管理する際に便利です。金属製品への貼り付けに対応したラベルタグもあります。ごく一般的な環境ならラベルタグを利用しても問題ありません。しかし、耐衝撃性や耐熱性が弱いため、過酷な環境での利用には向きません。

一方、ハードタグはプラスチックやセラミックなどの特殊な素材で制作したタグです。ラベルタグに比べるとコストが高いものの、防水性や耐衝撃性、耐熱性に優れています。屋外での長期使用や塗装工程、金型管理など高温な環境での使用に向いているのが特徴です。

また素材によっては、タグを極めて小さく加工できるため、工具や医療器具など取り付け場所の限られる細かな物品管理にも対応できます。このように特殊な環境・用途でタグを利用する場合には、ハードタグの導入を検討すべきです。

このようにRFIDタグの持つ弱点を適した種類の選択により補う方法も取れるため、営業担当者とすり合わせをしながら、最適なタグ製品をお選びください。

 

まとめ

本記事は、RFIDタグのセレクションガイドです。

RFIDを導入する際には、利用する用途や環境に合わせて適切なタグを選ばなければなりません。タグの選びに失敗すると、せっかく導入しても実用性に乏しく、投下したコストが無駄になってしまうこともあり得ます。

一方、この記事の内容を押さえておくと、スムーズにタグ選びが進められるようになります。ポイントは、バッテリー構造や種類周波数の違いによる特徴を捉えて、現場で使えるRFIDタグを選ぶ点です。

RFIDタグの種類については細分化されており、特に選びづらい点です。一般的な用途ならば、低コストなラベルタグで対応可能です。しかし、高温であったり水分にさらされたりする環境では適切なハードタグを選ばねばなりません。

当社「シーレックス」のオンライン資料「現場で使えるRFIDハードタグ」では、数あるハードタグのラインナップをカタログ化しております。

貴社が必要とされるタグをピンポイントで見つけたい場合には、ぜひご活用下さい。

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