
今回は、小型金属対応UHF帯RFIDタグの基本的な内容を確認しつつ、サイズの異なる3種のFR4基材のタグのカタログ情報比較、金属(SUS)板の上に置いて、ハンディリーダーで読み取りを実施した際の動作概況をご紹介させていただきます。
■金属対応とは
”金属対応タグ”とは、タグの取付け・貼付け対象が金属(導体)でも機能するように設計されたタグのことです。
金属に対応していないタグは、金属に取付け・貼付けた場合、タグのアンテナが金属の影響を受けて、リーダライタからの電波を適切に受信できなくなり、起電ができず、タグICは動作しません。金属とタグにスペーサーなどを入れて間隔を設け、動作させることも可能ですが、影響を受けないレベルにするためには、数cm離す必要があります。
”金属対応タグ”は、金属に取付けることを前提に最適化されていますので、間隔をあけることなくコンパクトに利用できます。
一方で、金属に取付けない場合には、性能が低下する傾向にあります。
”金属対応タグ”でも、金属に取付けない場合と取付けた場合の性能バランスを考慮したタイプ、取付けた金属や近接金属が受ける電波を利用するタイプ(表面波利用/ブースターアンテナ利用など)や、前述の金属とタグに間隔を設けることをタグ形状の工夫とした Indexタイプ や Flagタイプ もあります。
■FR4基材とは
”FR4基材のタグ”とは、電子機器の中にある電子部品が実装されているプリント基板の材料である「ガラスエポキシ基板」を基材としたタグです。FRは、Flame Retardantの略で、耐火性グレード4となり、耐火性・難燃性が高い材料です。
RFIDタグは、タグ用のICチップと電波を受けるアンテナで構成されていますが、アンテナをプリント基板の配線用の銅層(導体層)で形成し、ICチップの端子とアンテナを接続して、ICチップを保護するためにエポキシ樹脂を垂らして固めているのが基本的な構造となります。ICチップの端子とアンテナ(銅層)との接続は、ワイヤーボンディング(極細の金線の両端をICと銅に押しつぶして接続)する方法や、ICチップの端子を導電材料でアンテナに接合する方法があります。

FR4基材もエポキシ樹脂も耐熱性のある素材のため、”FR4基材のタグ”の保存温度(Storage Temperature)は、-40℃~150℃程度となります。ただし、タグICの動作温度は-50℃~85℃程度となりますので、タグにアクセスする環境は、その温度以内とすることが良いと思います。
■カタログでの性能 :周波数特性 通信距離[相対値] (Theoretical read range forward(m))
RFIDタグの資料には、「Theoretical read range forward(m)」として、周波数に応じた通信距離のデータが記載されている場合があります。
ご参考までに、3つのタグ(FR4-0505、FR4-1504、FR4-3004)のデータを記載致します。これは、GS1 EPC Global が規定したタグのテスト方法に基づき、校正された測定環境で、基本データを計測し算出された想定値となります。基本的には、送信電力 35.14dBm EIRP (3.27W EIRP) 、伝送の成功率50% 、リーダの受信感度 -70dBm 、リーダの受信アンテナの利得5dBi の場合の 目安の ID(EPC値)取得距離を示しています。
日本の電波法では、高出力(構内無線局/陸上移動局)機器の最大出力が、4W EIRP(1W出力機器に利得6dBi[ケーブル減衰含む]のアンテナ接続時)、特定小電力機器の最大出力が、0.5W EIRP です。
これらの条件から理想的な環境において、高出力機器を利用した場合、カタログ値以上の結果が得られそうですが、検証では、FR4-0505:0.5m、FR4-1504:1.2m FR4-3005:1.8m 程度でした。
使用するリーダの性能にもよりますが、理想的な機器の最大限の性能を引き出せる運用環境となることは、ほぼありませんので、資料の情報は、あくまでも目安であるとご承知おきください。
参考:EPCglobal Inc.:Tag Performance Parameters and Test Methods
Voyantic:Application Note Read Range Test with Voyantic Tagformance



■動画:サイズの異なる3種のタグの読取 距離50cm程度
3種のタグをSUS板に置き、ハンディ機器(出力100mW設定 アンテナ利得:4.35dBi) 約50cmの距離で読み取りを実施した際の動画です。
50cm程度の距離の場合、ハンディリーダの出力を 100mW に設定しても、サイズの異なる3種のタグで、顕著な読取距離性能の差は確認できませんでした。
カタログの記載を含め、今回の3種のタグに関する性能情報は、下記のようになります。

結果として信用出来るのは、実測でしょうか。
■動画:工具に取付けた金属対応タグの読み取り状況(工具管理用途)
各種工具の様々のサイズの金属対応タグを取付けてハンディリーダ等で読み取りを実施している様子は、下記でご覧いただけます。
タグを取付け・貼付ける管理対象のサイズや状況が複雑な場合は、机上での検討より、「現場・現物・現実」の確認により、早期に可能性の見極めや課題を抽出し、RFID活用効果と運用制約などを比較しながら、RFID採用の可否をご判断いただくのが良いと思います。
■貸出サービス
シーレックスでは、RFID活用の可能性 を、早期に確実に見極めていただくための 無償の貸出サービス を実施しています。
貸出サービスでは、タグの選定、評価・検証用の貸出を含め、リーダ装置、基本検証用アプリケーションをご用意させていただきます。
「現場・現物・現実」 実際に確かめるのが一番!! ご遠慮なく、ご活用・ご相談ください。

(上記、画像をクリックしていただきますと、「RFID基本検証用貸出サービス」 のカタログをご覧になれます)
■金属対応とは
”金属対応タグ”とは、タグの取付け・貼付け対象が金属(導体)でも機能するように設計されたタグのことです。
金属に対応していないタグは、金属に取付け・貼付けた場合、タグのアンテナが金属の影響を受けて、リーダライタからの電波を適切に受信できなくなり、起電ができず、タグICは動作しません。金属とタグにスペーサーなどを入れて間隔を設け、動作させることも可能ですが、影響を受けないレベルにするためには、数cm離す必要があります。
”金属対応タグ”は、金属に取付けることを前提に最適化されていますので、間隔をあけることなくコンパクトに利用できます。
一方で、金属に取付けない場合には、性能が低下する傾向にあります。
”金属対応タグ”でも、金属に取付けない場合と取付けた場合の性能バランスを考慮したタイプ、取付けた金属や近接金属が受ける電波を利用するタイプ(表面波利用/ブースターアンテナ利用など)や、前述の金属とタグに間隔を設けることをタグ形状の工夫とした Indexタイプ や Flagタイプ もあります。
■FR4基材とは
”FR4基材のタグ”とは、電子機器の中にある電子部品が実装されているプリント基板の材料である「ガラスエポキシ基板」を基材としたタグです。FRは、Flame Retardantの略で、耐火性グレード4となり、耐火性・難燃性が高い材料です。
RFIDタグは、タグ用のICチップと電波を受けるアンテナで構成されていますが、アンテナをプリント基板の配線用の銅層(導体層)で形成し、ICチップの端子とアンテナを接続して、ICチップを保護するためにエポキシ樹脂を垂らして固めているのが基本的な構造となります。ICチップの端子とアンテナ(銅層)との接続は、ワイヤーボンディング(極細の金線の両端をICと銅に押しつぶして接続)する方法や、ICチップの端子を導電材料でアンテナに接合する方法があります。

FR4基材もエポキシ樹脂も耐熱性のある素材のため、”FR4基材のタグ”の保存温度(Storage Temperature)は、-40℃~150℃程度となります。ただし、タグICの動作温度は-50℃~85℃程度となりますので、タグにアクセスする環境は、その温度以内とすることが良いと思います。
■カタログでの性能 :周波数特性 通信距離[相対値] (Theoretical read range forward(m))
RFIDタグの資料には、「Theoretical read range forward(m)」として、周波数に応じた通信距離のデータが記載されている場合があります。
ご参考までに、3つのタグ(FR4-0505、FR4-1504、FR4-3004)のデータを記載致します。これは、GS1 EPC Global が規定したタグのテスト方法に基づき、校正された測定環境で、基本データを計測し算出された想定値となります。基本的には、送信電力 35.14dBm EIRP (3.27W EIRP) 、伝送の成功率50% 、リーダの受信感度 -70dBm 、リーダの受信アンテナの利得5dBi の場合の 目安の ID(EPC値)取得距離を示しています。
日本の電波法では、高出力(構内無線局/陸上移動局)機器の最大出力が、4W EIRP(1W出力機器に利得6dBi[ケーブル減衰含む]のアンテナ接続時)、特定小電力機器の最大出力が、0.5W EIRP です。
これらの条件から理想的な環境において、高出力機器を利用した場合、カタログ値以上の結果が得られそうですが、検証では、FR4-0505:0.5m、FR4-1504:1.2m FR4-3005:1.8m 程度でした。
使用するリーダの性能にもよりますが、理想的な機器の最大限の性能を引き出せる運用環境となることは、ほぼありませんので、資料の情報は、あくまでも目安であるとご承知おきください。
参考:EPCglobal Inc.:Tag Performance Parameters and Test Methods
Voyantic:Application Note Read Range Test with Voyantic Tagformance



■動画:サイズの異なる3種のタグの読取 距離50cm程度
3種のタグをSUS板に置き、ハンディ機器(出力100mW設定 アンテナ利得:4.35dBi) 約50cmの距離で読み取りを実施した際の動画です。
50cm程度の距離の場合、ハンディリーダの出力を 100mW に設定しても、サイズの異なる3種のタグで、顕著な読取距離性能の差は確認できませんでした。
カタログの記載を含め、今回の3種のタグに関する性能情報は、下記のようになります。

結果として信用出来るのは、実測でしょうか。
■動画:工具に取付けた金属対応タグの読み取り状況(工具管理用途)
各種工具の様々のサイズの金属対応タグを取付けてハンディリーダ等で読み取りを実施している様子は、下記でご覧いただけます。
タグを取付け・貼付ける管理対象のサイズや状況が複雑な場合は、机上での検討より、「現場・現物・現実」の確認により、早期に可能性の見極めや課題を抽出し、RFID活用効果と運用制約などを比較しながら、RFID採用の可否をご判断いただくのが良いと思います。
■貸出サービス
シーレックスでは、RFID活用の可能性 を、早期に確実に見極めていただくための 無償の貸出サービス を実施しています。
貸出サービスでは、タグの選定、評価・検証用の貸出を含め、リーダ装置、基本検証用アプリケーションをご用意させていただきます。
「現場・現物・現実」 実際に確かめるのが一番!! ご遠慮なく、ご活用・ご相談ください。

(上記、画像をクリックしていただきますと、「RFID基本検証用貸出サービス」 のカタログをご覧になれます)